電子カルテを導入したいのではなく、診察を効率化し紙カルテの棚をなくしたい
いとう眼科様は、1日当たり患者数平均140人(100〜200人)と、眼科でもトップクラスのクリニックです。
子供から中高生、サラリーマン、高齢者と幅広い世代が来院し、この10年間、地域密着型の眼科クリニックとして地域の方々に支持されています。
日帰り白内障手術や糖尿病網膜症、眼底出血のレーザー治療、緑内障の診断治療と診察・診断処置、手術までをこなす他、大学から代診の先生が当番で来られるなど、病診連携も積極的に行っています。
導入時の課題 / 導入の背景
伊藤院長は、「紙カルテの倉庫が限界に達していること」に頭を悩ませており、このままでは紙カルテの倉庫を増設するか、クリニックそのものを移転しなければならないと考えていたそうです。
そこで、眼科器機の総合商社であるリィツメディカルに相談したところ、「iカルテ」(以下、iカルテ)を紹介していただくことになりました。
選定ポイント / 導入の決め手
iカルテ導入の検討に際して、以下の点がご要望としてあがりました。
- 紙カルテをデジタル化し、紙カルテの倉庫をなくしたい
- 画像ファイリングシステムとの完全連携
- 今の紙カルテでの運用を変えずに楽できる
iカルテは運用イメージが湧きさえすれば、すぐに意思決定できるシステムのため、デモンストレーションから見積提示、導入決定までわずか1ヶ月という、あっという間の決断でした。
伊藤院長は「これ以上紙カルテは増えないので、カルテを捨てなくて済むこと」「iカルテであれば、現在の紙カルテでの運用とほとんど変わらないので楽ができること」が導入の決め手だったと言います。
運用イメージ / システム構成
まず、患者が来院すると、2次元バーコードの印刷されたカルテ用紙を印刷。カルテは実際の紙カルテの運用と同様に、検査室にて検査結果を貼付け、診察室にて医師が検査結果を見ながら、問診・診断・処置(手術)などを行い、紙カルテに記入をします。そして診察終了後、紙カルテに書かれたオーダ内容を見ながらレセコンに入力し、会計を行う会計終了後スキャナでスキャンして取り込むというのが、一連の流れです。
導入効果
「診察に集中できる時間が増え、紙カルテの倉庫がどんどん整理されていきました。また、iカルテを開くと接続されている他社製の画像ファイリングシステムについても、同じ患者の画像データが連動して開くため、診療に必要な患者情報量の増加につながっています。紙カルテと運用が同じなので、代診の先生でもスムーズに診察ができ、大変助かっています。」(伊藤院長)
また、当初は予定になかった「過去の紙カルテのスキャン」も行っているそうです。
「当初、過去カルテをスキャンする予定はなく、診察当日のカルテのデジタル化のみにシステムの範囲を限定していました。しかし、実際に運用してみると、過去カルテもスキャンできるイメージが湧き、来院された患者さんのみ、過去のカルテもスキャンするアクティブカルテ制を取り入れています。」(伊藤院長)
一方、事務員の視点からはレセプトチェックが楽になったとのご意見もありました。患者さんが比較的多いため、1回でレセプトとカルテを突き合わせることは難しく、月の中頃に1回、月末に1回と、計2回に分けてチェックを行っていたそうです。
「レセプトチェックのためのカルテ出しの作業が一切無くなり、来院日を検索すれば、来院した患者さんのカルテが簡単に表示できるため、レセプトとカルテの突き合わせが楽になり、時間自体も短縮しました。」(事務員)
製品の感想や今後の展開・期待

診察中の様子
いとう眼科では、数ヶ月に一度、アクティブな患者と非アクティブな患者の紙カルテの保管場所を大移動させていましたが、その作業も不要になり、事務的な負担が大いに軽減され大変満足されているとのこと。
「電子カルテを導入したいのではなく、診察を効率化しカルテ棚をなくしたい。医師は電子カルテを導入したいのではなく、システムを利用して楽をしたいのです。」(伊藤院長)
医療のIT化を進めたら、システムに振り回され、診察時間が延びたり、患者さんの顔が見られなくなったり、かえって業務が煩雑になったという意見をよく聞きます。これはシステム化そのものに重きが置かれ、本来の目的が達成できなかったケースに起きやすいのです。伊藤院長のように、紙カルテ電子化の目的が「カルテ棚が一杯になったので、これ以上紙カルテが増えないシステム」という明確なコンセプトに対しては、「iカルテ」はうってつけのシステムです。
「紙カルテの倉庫は患者が多ければ、5年で一杯になり、10年後にはどうにもならなくなります。そうなる前に、紙カルテをスキャンしてデジタル化を行うことをお勧めします。わたしももっと早くこのシステムに出会っていれば・・・。開業して5年後が、「iカルテ」システム導入の絶好の機会だったと感じています。」(伊藤院長)