コラム, 電子カルテ

古い紙カルテ、処分して良いものか悩んでいませんか?

電子カルテを導入したが、過去の紙カルテは未だカルテ庫に眠っている、そんな状況にお困りの方は少なくないと思われます。

電子カルテ導入前の情報(特に所見)は、依然、紙カルテに頼らざるを得ない状況にある場合はもちろん、大切な患者様のカルテとなると、保存期間を過ぎていてもなかなか破棄できない、と仰る先生も多くいらっしゃいます。

一方、保管スペースの問題や、目的のカルテを探す手間等を考えると、古い紙カルテを何とかしたい、と考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、良くご相談を頂く、カルテを破棄してよいのか、破棄するには何が必要か、を法的な面から少し解説してみたいと思います。

また、破棄を含むカルテの取り扱い方法についてもご紹介します。

古い紙カルテを破棄してよいか?

カルテ(診療録)は、医師法24条により、5年間の保存義務が課されています。

この“5年間”は、 “診療が完結した日からから5年間”です。

治療が続いていれば5年以上であっても保存が必要で、要求があればいつでも開示できるように管理しなければなりません。

誤解を恐れずに医師法の観点からいうと、保存期間を過ぎていれば破棄してもよい、

ということになります。

ただし、薬害問題で患者が国の給付金を受け取る場合、医療機関のカルテが保存期間を過ぎても必要になるケースがあります。

また、医療過誤の問題が発生した場合、民法上の損害賠償請求権の時効が20年となっており、手元に記録が残っていないと不利な状況に立たされることがある、という事も忘れてはなりません。

日本医師会が発行している「 医師の職業倫理指針 第3版 」(2016年)には、

「診療諸記録・・・、診療録(カルテ)の保存期間は・・・永久保存とするべきである」と提唱しています。

カルテのデータ化について

  • 法的に破棄してよいということだが・・・やはり保管しておいた方がなにかと・・・
  • 患者様のため、また地域貢献のためにカルテをなんらかの形で残しておきたい

上記のように考えるのは、もっともな事ではないかと思います。

では例えば、破棄する前にスキャナなどでデータ化しておく、という方法は有効なのでしょうか。

カルテのデータ化については、「保存期間内」と「それ以外」に分けて厚生労働省のガイドライン(医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版)に記載されています。

「保存期間内」のカルテについて、以下、条件を列記すると、

  • スキャナ等で汎用性が高い形式で電子化す
  • 電子化することを患者に告知する
  • 実施計画書を作る
  • 電子化したデータに電子署名、タイムスタンプを付与する
  • 外部監査人(システム監査技術者やCertified Information Systems Auditor)を置く
  • 個人情報の保護に留意し適切な方法で破棄する

など、とてもハードルが高い事がわかります。

保存期間の過ぎたカルテのデータ化に関しては、どうでしょうか。

こちらはぐっとハードルが低くなります。

保存義務がないので、条件としては、

  • スキャナ等で見やすいように電子化する
  • 個人情報の保護に留意し適切な方法で破棄するとなります。

カルテのデータ化の方法

フラットベット式(1枚ずつパタンと挟んでスキャンするタイプ)のスキャナが一般的だった頃に比べ、最近はスキャナ機能が向上し、画質、スピード共に驚きの水準にあります。

オートフィード式(コピー機やFAXのように複数枚を順番に流すタイプ)は、1分間に30~50枚も処理してくれます。

また、スタンド式(見開きの雑誌などをページをめくりながらスキャンするタイプ)などもあり、価格も5~10万円程度と安価に手に入れられます。

多少の手間にはなりますが、自炊(ネット用語で自分でスキャナを使って書類を電子化すること)してみるのも1つの手ではないでしょうか。

また、費用はかかりますが、専門のスキャン業者に依頼してみるのもよい方法です。

法人向けのスキャン業者も多くおり、データ納品またカルテの破棄まで一貫してお任せできるのも魅力です。

データ化したカルテは、患者ごとにまとめられているので、探しやすく、また2次利用できるのもよいと思います。

データ化後のカルテの破棄方法

カルテには、患者の氏名や住所、年齢などの基本的な個人情報だけではなく、既往歴、家族歴などたくさんの機密情報が記載されています。カルテの情報が流出した場合患者のプライバシーや人権を侵害する恐れがあるため、セキュリティ対策を万全に整えて破棄を行う必要があります。

当然、そのままカルテを燃えるごみの日に、はおすすめできません。

手間にはなりますが、シュレッダーをかけて企業ごみとして破棄するのが1つの方法かと思います。

おすすめは、カルテ破棄の専門業者を利用することです。

インターネットで「機密文書の破棄」で検索すると、多くの業者がヒットしてきます。

価格も段ボール1箱、1,000~1,800円程度で処理してくれるようです。

また、廃棄処理証明書を発行してくれるので、患者また地域からの信頼性向上にもつながります。

カルテの他にも、法律、金融関係などの企業が利用しているので、安心のサービスと言えると思います。

以上、古いカルテの扱いについてまとめてみました。

一度、眠っているカルテについて、検討してみるのはいかがでしょうか。

思いがけず、院長室ができたり、スタッフルームが広くなったりスペースの有効活用ができるかもしれません。

京葉電子工業はカルテビューア・スキャンビューアなどのシステムを活用し、医療業務の電子化しにくい部分を電子化することで、医療機関のIT化をサポートいたします。

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