スキャンビューア, 導入事例

柴垣医院様

透析医療において完全ペーパーレス化ができ、更に省スペース化が実現

柴垣医院様は、1975年に現院長の父の名誉院長が開院し、現院長の柴垣先生が2代目として診療所の経営を行います。午前、午後、夕方と1日3クール制をとっており、1日当たり患者数は約65人にのぼります。

透析医療は1人当たり平均4時間が必要であり、そのため通常は2クールが一般的ですが、柴垣医院様は3クール制を取っています。「3クール制の実現は、徹底的なIT化を進めたことで効率化が図れたことが大きい」と柴垣院長は、IT化の有用性を語ってくださいました。

導入時の課題 / 導入の背景

透析管理システム導入の次は完全ペーパーレスへ

柴垣医院様は、透析管理システムを導入し、透析スケジュールや病床管理、レントゲン画像管理、診療記録などをデジタル化しています。同システムは、電子カルテという位置づけではなく、あくまで一連の透析業務を管理するシステムとしての位置づけであり、透析記録等は紙に印刷して別に管理する方法をとっています。 そのため、完全なペーパーレスを実現できずにいたそうです。

選定ポイント / 導入の決め手

「ペーパーレスを実現できないか」と情報収集を繰り返していた時に、お台場で行われたクリニックITフォーラムで、「スキャンビューア」に出会った柴垣院長。スキャンビューアは、「カルテ等の紙の書類をスキャナでスキャンし、PDFやJPEGデータに加工し、さらにタイムスタンプを加える」ことで、電子カルテの3要件の一つである真正性を確保しています。この真正性を確保する機能に院長は注目したと言います。

「このシステムを応用すれば、透析医療において完全ペーパーレスが実現できると考えました。」(柴垣院長)

IT化で紙カルテの管理と情報共有の効率化を図れる点も、導入の決め手になったと言います。

「透析医療では患者さんは週2~3回必ず来院し、約4時間の透析を受けます。 その際、毎回透析に関する記録(カルテ等)を作成するため、紙カルテの枚数は膨大な量になるんです。また、スタッフ間の情報共有には、経過表に手書きでコメントを記載し、毎回引き継ぎを行ってきましたが、これらの業務においてIT化を進めることで、紙カルテの省スペース化とスタッフ間の情報共有ができないかと考えました。」(柴垣院長)

運用イメージ / システム構成

  • 人工透析を受ける患者様さんはまず診察券を各自が受け取り、体重計にのって透析前の状況を記録する。
  • この内容は透析管理システムに登録される。
  • その後、看護師が血圧を計測し、この情報も透析管理システムに入力する。
  • ベッドに入り、透析がスタートした後は、看護師が巡回して状況を把握していく。
  • これらの情報が経過表として管理されるため、患者様の状況について、スタッフはベッドサイドでiPadにより把握することができる。

導入効果

「紙カルテやその他の文書をデジタル化するメリットは、様々な業務のロスがなくなり、効率的なカルテ管理、情報共有が可能になることもあるが、データベースを一本化することで情報の一元管理ができるようになったことが大きい」(柴垣院長)

製品の感想や今後の展開・期待

iPadアプリの開発も行います

「今後は全スタッフにiPadを配り、情報共有はiPadですべてできるようにしたい」と今後の展望を語る柴垣院長。透析は一度に20数名の患者様に対して同じような行為を次々に行っていく必要がありますが、それらの行為手順をiPadで管理できれば、標準化が図られミス防止にも繋がります。

さらには、独自にファイルメーカーで開発したiPad用アプリで、患者様のフットケアも行っていく予定なのだそう。スキャンビューアとiPadを活用することで、紙カルテのデジタル化、効率化を行うとともに、スタッフ間の情報共有がスムーズにベッドサイドで行える。まさに、IT化を上手く進められた事例だと感じました。